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東日本大震災により原子力発電所が稼働を停止している現在、日本では、全エネルギーの約88%を海外からの化石燃料に依存しています。海外資源への依存からの脱却とCO2排出量の削減が急務である今、再生可能エネルギーの活用が求められています。
再生可能エネルギーの中でも太陽光発電や風力発電は導入の容易さゆえに、昨今の日本では大きな広がりを見せています。反面、日照や天候に左右されるため、稼働効率は10%台に留まっています。気象条件にかかわらず、安定発電が可能な地熱発電が期待されています。
国土の多くが火山帯に含まれる島国、日本。その地熱発電ポテンシャルは世界第3位といわれています。しかし、利用率はわずか2.2%にすぎず、95%以上は活用されることなく地中で眠り続けています。
従来の地熱発電方式では、着手から発電までに10年以上もの歳月を要し、維持・管理に莫大なコストがかかります。温泉源の減少や温泉地の美観への影響、温泉法※による制約を考慮する必要もあります。そのため、日本での開発はあまり進んでいません。
※掘削深度や坑井間距離に関する制限
JNEC方式の新地熱発電システムの特長は、世界初のクローズドサイクル地熱発電。地中深くまで水を循環させる密閉された管を埋め込み、地中熱のみを利用して管内の水を熱し、その蒸気でタービンを回して発電を行う方式です。蒸気は冷却され水となり、また元の管へと戻されます。この方式であれば、発電時のゼロ・エミッションの実現や、これまでの地熱発電の課題克服ができます。
環境アセスメントや十分な地熱流体を確保するための再掘削の必要がなく、温泉法による制約もありません。よって、従来の地熱発電方式では10年を超えていたリードタイムを大幅に短縮することが可能です。水を循環させるのでスケール※による管及び地上設備の目詰まりや腐食がなく、メンテナンスコストを抑えられます。メンテナンスに伴う長期間の運転停止がないため、24時間安定的に発電ができます。
※スケール…地下水中の鉱物が堆積したもの。目詰まりや腐食の原因となる。
火山国日本ならではの再生可能な地熱資源を活用することで、海外化石燃料への依存を減らし、限りある地球資源を大切にします。また、発電時のCO2排出がないので、地球環境に影響を与えることもありません。
温泉水を一切使わないため、温泉業に影響を与えることなく、スムーズに導入することができます。設備もコンパクトで美観を損ねないため、あらゆる地域においても共存共栄が可能になっています。
ジオパワーパーク構想では、余熱を利用し、産業と雇用を生み出す新しい地域のあり方を提案。農業や養殖業などへの利用はもちろんのこと、低価格の電力を生み出すことで、企業などを誘致することができ、地域に新たな雇用創出を生み出す、来たるべき日本の地方創生モデル事業を描きます。